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インビザライン治療のあれこれと本当に大切なこと

インビザライン治療はマウスピースを使った矯正治療です。ひと昔まで、マウスピースによる矯正治療は、アラインテクノロジー社が特許を持っていたため、他社が参画できなかったのですが、数年前にその特許が切れたために多くの企業がマウスピース矯正を手掛けるようになりました。インターネットで検索するとたくさんのマウスピース矯正が名乗り出ているのがわかります。通院の仕方、費用面、期間、仕様等でそれぞれ特徴を持たせています。

みと歯科・矯正歯科では、最初の症例が2009年ですから、かなり前から手掛けています。当時は、クリアアライナーと言って型を取るのもマウスピースを作成するのもすべてアナログで行うものはありましたが、インビザラインによるクリンチェックという治療計画シミュレーションからマウスピース作成までをデジタルで行うものはありませんでした。歯が動いていくのがコンピュータの画面上で見えるのですから、画期的でした。

これまでの、ブラケットとワイヤーによる矯正治療では、担当する先生は治療途中をイメージできても患者さんにはどうなるか皆目見当もつきませんでしたから、動く様を目で見ることができることは、素晴らしいことでした。(最終の歯並びはセットアップ模型を作るので患者さんは治療結果を見ることができます。)

私は、他社のマウスピースがどのようなシステムで治療計画が立てられるのか、移動のシステムを持っているのかは詳しくはわかりません。他社が多いところでも数万から数十万人の治療データしか持っていませんが、インビザラインのアラインテクノロジー社は世界中1400万人以上の治療データを持っています。それだけ豊富なデータを所有していること、日本でも著名な先生が数多く手がけておられること、そしてなんといってもアラインテクノロジー社は、教育システムが優れていることです。医療従事者用のホームページもとても充実しています。多くの症例を手掛けられている先生がスタディクラブでインビザラインシステムの特徴やマウスピースを設計する際のヒントや効率よく効果的な動きをするための手順などを教えてもらえるので、とても勉強になります。また一つの症例でも、正解は一つではなく、アタッチメントの設置歯牙や形、ステージングなど異なっています。担当する先生の考え方で大きく変わります。

正しい診断の元、治療計画を立ててクリンチェックを作ったからと言って、すべてがうまくいくわけではありません。患者さんがインビザラインマウスピースを、正しく装着することがとても大切なことです。一日、食事と歯ブラシなどの口腔ケア以外は装着していただきます。マウスピース矯正は、マウスピースが歯並びを改善するように変形したものを、1週間前後で、ご自身で交換していただきますので、確実に装着することが大切です。装着を確実にするのが、アライナーチューイーと呼ばれる円筒状のものです。特に新しいマウスピースに交換したときはきついのでチューイーをしっかりと噛んで装着します。装着時間を22時間、チューイーをしっかりと噛むことが、インビザライン矯正治療を成功に導くカギです。

インビザライン治療のあれこれと本当に大切なこと
アライナーチュウイー

さて、インビザライン治療で特に優れモノに、先ほどから名称が出ていますが、クリンチェックというものです。担当の先生が、採得した資料で作成した処方書をもとに作った治療計画の確認、変更、承認できるソフトで、マウスピースを交換していけばどのような順序で、どのように歯が動いているのか見ることが出来ます。また、凸凹がひどく歯を抜いて治療した場合と抜かずに治療した場合の治療計画を画像で確認することもできます。いろいろな条件を想定して何種類も計画を考えることが出来るので、その患者さんの希望やお口の状態を考慮した最適な治療計画を作成できます。

本年8月から、CTの画像をそのクリンチェック(現在はコンプリヘンシブパッケージのみ可能)に組み込むことが出来るようになりました。みと歯科・矯正歯科では、それに伴い9月にモリタ社製べラビューエポックスX700+3Dを導入し、新しくなったクリンチェックに対応できるようになりました。これまで歯冠(歯ぐきから出ている歯の部分)のみの動きを確認出来ていましたが、歯根の動きまでも確認できるようになり、その歯の動きが顎の骨の中で可能なのかどうか、顎の骨から出ていないかなどなど確認できるようになりました。日々インビザラインシステムが進化しているのを感じています。

インビザライン治療のあれこれと本当に大切なこと

左の画像がCTを組み込んだクリンチェックと右の画像が通常のクリンチェック

口腔内スキャナーiTeroが導入され、レントゲン写真、CT、クリンチェックなどすべてがデジタル化されとても便利になりましたが、それについていく頭がアナログなのでとっても大変です。私が大学で学んだときからは、考えられないような変化が当たり前のように起きていることを日々感じている今日この頃であります。