先日お伝えしたように口腔内スキャナーiTero element 5Dを導入しました。
iTero element 5Dは、単なる口腔内スキャナーではありません。3Dデジタル印象、口腔内カラー写真、および近赤外光画像(NIRI)を一度の撮影で同時に記録できる、ハイブリッドな性能をもつ歯科用画像取得システムです。さらに、タイム・ラプス機能を利用して経時的変化を記録することで患者さまの理解度を促進させることもできます。
今日は、中でも画期的な機能、近赤外線画像(NIRI)についてお話しさせていただきます。
近赤外線を歯にあてることにより次の図のようになります。

A. 歯牙の表面にカメラを置く
B. 歯牙のエナメル質が近赤外線波に対して黒っぽく見える
C. 近赤外光の透過を阻害する象牙質やう蝕などは白っぽく映る
具体的に下の2つの画像を見て下さい。NIRI画像では外側のエナメル質は黒く透けて見えます。中の白く見えるのが象牙質です。歯と歯の間(隣接面といいます)の白っぽく見える部分がお分かりいただけると思いますが、この部分が虫歯です。その下のカラー写真では何か怪しいぞという画像が見られますが、NIRI画像で虫歯が明らかになります。
このような隣接面の早期の虫歯を発見するのに咬翼法というレントゲン撮影がありますが、それを減らすことができるようになると思います。
また、レントゲン撮影は万能ではなく誤った診断を下すこともありますが、それを修正するのにも役立つものと思います。

